新年のご挨拶
新春を寿ぎ、謹んでご祝詞を申し上げます。
当会は、本年1月14日にNPO法人設立10周年を迎えることになりました。これもひとえに、神奈川県、横浜市、横須賀市の行政・研究機関・大学などの関係部署や関係団体のご指導とご鞭撻、並びに会員の皆様方の理解と支援の賜物と厚くお礼申し上げます。
話は変わりますが、「量入制出簿」という言葉をご存知でしょうか?
横須賀に横須賀製鉄所を建設し、日本に近代重工業をもたらした先駆者、小栗上野介がつけていた小栗家の家計簿の名前です。江戸幕府に出仕する以前に、つけていたものです。この家計簿は、小栗上野介の最後に立ち会った後藤八郎右衛門が焼却を恐れて秘かに持ち帰ったもので、昭和27年に群馬県渋川市の後藤家の箪笥の引き出しの底にあるのが見つかり、知られるようになったものです。小栗上野介は、家計簿を作ることによって、後に勘定奉行として活躍した基礎作りをし、歳入歳出の基本を会得されていたようです。「入るを量って出るを制す」という言葉に、その真骨頂が表れていると思われます。
当会の財政基盤は安定化することが急務であると考えております。その観点から、考えてみたいと思います。制出を行うことは当然のこととして、量入の視点から当会を概観してみたいと思います。
当会の収入は、(1)中小企業支援の対価、(2)寄付金、(3)補助金、(4)会費の4つから構成されています。
当会は、中小企業の支援による地域経済の活性化が活動の主軸でありますから、収入も中小企業支援の対価が中心であり、この側面から、既存事業の拡大を図るとともに、新規事業を創出して収益の向上を図ることが重要と考えます。幸い、平成25年度に、横浜市立大学CSRセンターからの業務委託、環境・省エネの支援などの新たな芽生えが見られたので、これをバネにして発展・展開していく所存です。
寄付金収入は、非営利活動団体という特性から必要であり、また認定法人資格を維持するための要件でもあります。寄付金の増収を図るには、内閣府のNPO調査からも知られるようにNPOの周知度は40%に満たないので、これを向上し、当会が社会的により信頼されることが必要と考えます。この側面から、より良い成果を出し、その結果を確実に広報していくことが重要と考えます。この循環が機能すると、強いNPOとなるものと思われます。
「新しい公共」の支援は、NPO法の改正を機に重視されるようになってきたものでありますが、支援の公益性という視点から、この分野の支援にも力を注いでいくことが必要と考えています。幸い、平成25年度に、横須賀市から受託した協働事業「市民公益団体の広報力アップ講座」、横浜市の小学校におけるエコ教育の開始は、好評をいただき、拡大の機運も見られるので、これをバネとして、この分野の事業も今後とも積極的に推進していく所存です。その結果として、補助金の増収を図りたいと考えております。
会員は、当会の事業を推進する要であり、事業を継続的に、確実に推進し社会の信頼を確実なものとするめにも、また内閣府のNPO調査結果に見られる「やりがいや能力を発揮する機会を提供する」役割を果たすためにも、会員の増強は重要であります。地域経済の活性化のために、お互いに頑張ろうではありませんか。皆様方の法人会員、個人会員の入会をお待ちしております。その結果として、会費収入が増えていければと考えております。
以上のように、10周年という機会に、新たなる飛躍を図り、財政基盤を安定化させ、NPO活動を持続させていきたいと考えております。今後とも、皆様のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
注) 本文中に掲載されている「頌春」の版画は、小学校以来継続しているという当会会員MK氏の力作です。