IoT研究会発足
背景
新型コロナ感染拡大第3波により、再度緊急事態宣言が発せられ、経済活動が停滞し、経済環境は厳しい状況にあります。そういうコロナ禍の下でも、社会のデジタル化、さらにデジタルトランスフォーメーションが推進され、IoTやAIを中核技術とする第4次産業革命が進行中といわれており、IoTはあらゆる分野で、世界的規模で導入が試みられています。
今、IoTがこのように注目されるように至ったのは、IoTを構成する「センサーのデバイス」「クラウド」「通信技術」の充実と低価格化が進み、導入のハードルが低くなったためです。
そこで産業クラスター研究会として、IoT技術の導入は今後の中小企業経営に大きいインパクトを与える技術ととらえ、IoT及びAI等の周辺技術に関心を持つ個人会員及び企業の関係者でその技術を学び・技術導入・展開について研究すべくIoT研究会を発足しました。
IoT研究会の活動
(1)発端
2018年2月に実施された横浜テクニカル・ショウを見学し、特別講演会で ”中小製造業におけるIoT導入のすすめ“ を聴講しました。これまでIoTは設備投資がかかり、大企業でないと難しいと考えていましたが、工夫次第で中小企業でも妥当な投資で成果が出せることを学びました。翌年11月、東京晴海で開催された新価値創造展でIoT機器を見学し、中小製造業で導入できる技術も多いと確信しました。
(2)IoT研究会の立ち上げ
昨年3月IoT研究会立ち上げの準備として、有志で検討を始めましたが、4月になり緊急事態宣言で、しばらく休止状態でした。7月頃からZoomによるWEB会議で情報交換を再開し次の活動方針を決めました。現在産業クラスター内有志による勉強会を実施中です。
① IoTは広範な分野で利用されているので、まず製造分野を中心に取り組み、基本知識の学習・技術習得を図る。中小企業に役立つ事例の収集を行う。
② 中小企業製造業に役立つIoT技術は、各中小企業様の具体的な課題解決を通じて学べるもので、企業の皆様の参加によるフィールドワーク(実践的な活動)が必須。{課題解決に当たってはボランティア参加もさせていただきます。}
① の具体例としては、次の著書の輪読、事例の勉強会を実施しています。
『日本型IoT-ビジネスモデルの壁とその突破口』(著者:大野修、日刊工業新聞社): IoTの事例として、メンバー経験談、IoTの生産性向上例、スマートマットによる在庫管理等々。
IoTは究極的な”見える化”と言えますが、その出発点は現場の問題点の整理、課題の洗い出しです。クラスターのメンバーは企業での豊富な体験を生かし、初期段階、課題の洗い出し、適用IoT技術の探索・推進等で中小企業様のお役に立ちたいと考えています。
企業の皆様のIoTに関する関心、ニーズの調査のため、アンケートを計画中です。ご協力をお願い申し上げます。中小企業に役立つ事例については、次月以降紹介していきます。
(IoT研究会 槌谷 祐一)