先端技術と工場見学会を開催しました(平成30年7月)

バスツアー

先端技術と工場見学会を開催しました

産官学連携支援部会主催

【はじめに】

猛暑の中、平成30年7月13日(金)にマイクロバスをチャーターして横須賀中央駅前より出発し、午前中に神奈川県立産業技術総合研究所(海老名)、そして午後は㈱アルバック(茅ヶ崎)を訪問し、横須賀中央駅に帰着しました。
法人会員9名、個人会員15名の総勢24名が参加し、その訪問記録です。

【神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)】

産業技術総合研究所玄関前にて

産業技術総合研究所玄関前にて

海老名駅は小田急・相鉄・JR相模線の乗り換え駅として近年商業施設やマンションなどの建設が相次ぎ、急速に発展しています。その海老名駅から徒歩15分、国道246号線からほど近い場所に当研究所は立地しています。昨年(平成29年)4月1日に、この地にあった旧神奈川県産業技術センターと、川崎の溝ノ口にあった旧神奈川科学技術アカデミー(KAST)が統合し、「地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所」として発足しました。

旧神奈川県産業技術センターは、全国の各都道府県ごとに1か所ずつある公設試研究機関として、神奈川県の“ものづくり”の基盤技術を担う中小企業の支援機関として、技術相談や依頼試験への対応などを行ってきました。
また、旧神奈川科学技術アカデミー(KAST)は、先端的な技術開発や知財を支援する機関として設立され、それぞれ独自に活動してきましたが、両者の統合によって、今後産学連携の強化が図られるとのことです。

研究所説明前の一時

研究所紹介説明前の一時

見学のはじめに会議室で研究所の概要をプロジェクターとパンフレット資料で紹介されました。その後2グループに分かれ、当研究所の特徴である研究・実験棟のうち、最近特に機器の整備拡充が行われ、企業の関心度合いが高い分野と言える3D造形、X線検査試験、音響試験、疲労・強度試験、人工気象室のそれぞれを、研究者の方々から熱心な説明を受けながら見て回りました。

横須賀からは遠隔地にあることがやや難点ですが、今回の見学会の参加者が中小企業の技術課題に直面したとき、これらの設備や研究者のノウハウを活用していきたいものです。その手がかりの一端を知ることができ、今回の見学はとても有意義でした。

【株式会社 アルバック】

(㈱)アルバックにて

(㈱)アルバックにて

「真空テクノロジーで“つくる”をつくる」が当社のキャッチフレーズです。消費者向けの製品を作っていないため、一般の人には知名度が低いですが、あらゆる産業の基盤―例えば、フラットパネルディスプレイ(FPD)、半導体製造装置、果てはポテトチップスの袋の内面加工、これらの生産・研究設備に当社の真空技術は欠かせません。

当社の前身である日本真空技術㈱は、昭和27年(1952年)に松下幸之助をはじめ6人の財界人の出資金を基に創業し、昭和43年(1968年)茅ヶ崎に本社・工場を竣工しました。
現在では資本金208億円強、従業員6000人強(連結含む)の東証一部上場企業で、海外(アメリカ、中国、韓国、台湾)にも工場があります。

球体の中を真空にすると

球体の中を真空にすると空気未注入の風船は如何に

国内の主な生産拠点はアルバック東北㈱(青森県八戸市)とアルバック九州㈱(鹿児島県霧島市)の2か所です。茅ヶ崎の本社工場は平成16年(2004年)に新社屋となりましたが、いわばマザー工場として研究開発や納入先企業と仕様の打合せ、デモンストレーションなどに供されているため、見学者コースから見る工場は、“ものづくり”の現場というよりは、さながら巨大な実験室のようです。

工場見学に続いて、真空技術を体感できる実験が行われました。実験器具から空気を抜いていくとどのように変化するか、また、アルミの蒸着の様子を目の当たりにでき、得難い経験が得られた一日となりました。

【さいごに】

参加者からは今回の見学は見学先の配慮が行き届いており、また内容も大変良かった。また計画をして欲しいという声が多数ありました。
熱心に説明していただいた神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)ならびに㈱アルバックのご担当の方々に厚くお礼を申し上げます。
このような見学会を今後も企画・実施してまいりますので、皆様のご参加をお待ちしています。

(産官学連携支援部会 堀込 孝繁)

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