地域活動シンポジウムに参加して


地域活動シンポジウムに参加して

有意義なセカンドライフを過ごすために


 「地域活動シンポジウム」が、平成30年2月27日(火)、横須賀市主催のもとに、横須賀市商工会議所において開催され、多目的ホールが満席になる盛況でありました。
 シンポジウムの議題は、下記の通りです。当会からは、阿部昭彦副理事長がパネリストとして参加いたしました。

議題:

(1)基調講演: 「地域とつながる、はじめの第一歩」
NPO法人 YMCAコミュニティサポート事務局長
横須賀市立市民活動サポートセンター館長
            高橋 亮
(2)パネルディスカッション: テーマ「地域活動の先輩に聞いてみよう!」
コーディネータ  高橋 亮
パネリスト
      認定NPO法人 産業クラスター研究会
           副理事長 阿部 昭彦
      サンカフェ広場・津久井の自然を守る会
           代表 三澤 幸子
      よこすかなかながや
           代表 和田 信一
      教育関連会社講師
              高橋 昭利

 
 阿部は、コーディネータの質問に対して次のように応えています。本日ご参加の皆さん方が有意義なセカンドライフを過ごすための参考になれば幸いです。また、是非、当会への入会もご検討ください。

Q : 自己紹介と活動内容、かかわった経緯などについて
A :
 私は現在76才です。大手貴金属工業会社を43年間勤め、67才で完全退職をしました。退職一か月後に、NPO法人産業クラスター研究会に入会し、今年で8年目を迎えます。

 私が所属する「産業クラスター研究会」は、法人会員24社、個人会員31名、内女性会員が2名で、大活躍しております。

 活動内容は、中小企業や商店への経営・業務改善などのコンサル支援を行い、地域経済の活性化を目指しています。活動地域は横須賀市を中心とした三浦半島、横浜市、神奈川県などです。私は、収益部門の統括責任と環境事業部会のマネジメント役を担当しています。

 入会のきっかけ(動機)は、友人の紹介です。当時、当会は、横浜市の委託事業案件獲得の為、「環境・エネルギー関連の支援事業」を創設する必要があり、その設立を目的に、入会要請を受けました。これまで企業で培しなってきた「環境・エネルギー分野」の経験と体験が活かされると思い、又、会の先輩から、会の活動理念と内容を聞き、共感しまして、即日、入会を決めました。

 退職後直ぐに、NPO法人に入会して良かったと思っています。企業では体験できなかった「社会貢献」という仕事ができ、心身ともに健康で、毎日、元気・溌溂(はつらつ)と楽しい第二の人生を過ごしております。

Q : 現役時代に培ったスキルを中小企業の支援やNPO支援に活かしているとのことですが、具体的にどのようなスキルを持っている人がいて、どのように活かされているのかについて
A :

  1. メンバーは、技術士、弁理士、ISOの審査員資格、教員免許などの資格を持つ人、ITや特許や法律や広報に精通した人、また、海外赴任経験者、などの企業や行政を卒業したシニアです。会員には、町内連合会長、自治会長さんもいます。
  2. 実際の活動内容について。
     メンバーは、その長い経験の中に、資格や免許以外にも、沢山の「スキル」が潜在しています。各支援部会やスタッフに、各人のスキルを活かしての活動・運営を行っています。その実例を5つ紹介します。

    1. 各人の得意分野のスキル(資格や免許)を活かして、中小企業や商店への経営・業務改善のコンサル支援を行っている。
    2. 海外赴任で倍しなった語学力を活かして、中小企業への英語の通訳や翻訳の支援活動を行っている。横須賀米軍基地の調達関連業務の支援を横須賀市商工会議所の委託を受け支援活動を行っている。
    3. ISOの審査員資格者は、中小企業や工業組合などに、「ISOやCSRや情報セキュリティなどのマネージメントシステムのコンサルや審査を行っている。
    4. ITや広報の精通した人は、ホームページの制作支援や、その専門に応じた「講演会」、「講習会」や「セミナー」を開催している。
    5. 行政の出身者は、「新しい公共支援」として、行政との協働事業の企画推進や「シニア世代の活性化活動」を行っている。
Q : セカンドライフで地域活動をする際に、いったん現役時代のことは忘れてしまった方が良い、という意見もしばしば聞く。そのことについてはどう考えているか?
A : この課題は、人は様々だと思います。40余年間を粉骨砕身働いて来た人の思いは万感の思いです。その人にしか分らないことです。私は、全てを否定も肯定もしない考えを持ちます。私共の体験から、2つのアドバイスと云うより提言を申し上げます。

  1. 先ずは、現役時代の仕事は経済社会が中心でしたが、定年後は、広範囲な社会環境(行政、地域経済、自治会、町内会、教育・環境、福祉など)を対象として下さい。これらの社会環境に、広く深く関心を持ち、これまでの経験や体験を、何れかの場において、社会貢献(お世話になった社会へのお返しをする心持で)に活かす「仕事」をすることが大切だと思います。
  2. 二つ目は、現役時代の失敗や疲れた人間関係は、忘れたいと強く思った時期もありましたが、当時は、成果を早く出そうと、ことを焦っていたことや、人間関係も「人を変えようと強く思い、自分が変わろうとする心構えが希薄であった」ことに気付き始めました。従って、現役時代の失敗も疲れた人間関係も良き体験・ 経験であったと思います。自分を顧みると、現役時代は米国の心理学者・マズローが説く「マズローの欲求5段階説」の第4段階「尊厳欲求」(認められたい)が強く、現在は、第5段階の「自己実現の欲求」に近づいている心境です。従って、皆様も、定年後に広範囲な社会環境を対象にした持続性ある活動(仕事)をすることにより、現役時代の辛くて、いやな思いも大きく変わると思います。
Q :言い残したこと、今後の予定、ぜひ来てくださいの熱いメッセージなどについて
A :

  1. 「やること」「行くところ」ができますと、活動していない時間が、趣味ややりたいことなど、とても楽しくなります。生き甲斐つくり・居場所ができ、ストレスとイライラが極度に軽減します。
  2. 自分も家族も明るくなり、家族の皆が安心します。(とても大切なことです)
  3. 友人、同級生、元会社の仲間、隣人など、人と会うこと、話すことがとても楽しくなります。(これは自分に生斐があり、沢山の話題があるからです)
  4. 私は生涯、とても居心地が良い「産業クラスター研究会」で社会貢献の仕事をしたいと思っています。(勿論、これから新しいことへの挑戦もします)。兎にも角にも、第二の人生を楽しく過ごしたい。
  5. 皆様ご存知ですか、定年後の25年間の自由時間は、現役時代の2倍近くありますよ(前提条件は健康寿命を90才とし、65才定年退職で会社勤めは40年間とします)。第二の人生には、沢山の自由時間があります。定年前に定年後のことを「何をしよう!といろいろと考えて置き、新たな持続性ある社会貢献活動の仕事を成るべく早い時期に実行されることをお薦めします。ご自分も家族にとっても、楽しく、意義ある人生生活を送ることが大いに期待できます。今からです、頑張って下さい。

 最後に、本日は、良いこと尽くめのお話をしましたが、これは現実です。しかし、当会の課題・問題もあります。ご多分に洩れず会員の高齢化です。平均年齢75才を越しています。

 定年退職後はどうしたらよいか?は、何はともあれ、NPO法人産業クラスター研研究会に、ご相談、ご入会下さい。皆様のご入会をお待ちいたしております。当会のWebサイトに会員募集の案内があります。こちらも参考にしてください。

(広報部会 新井記)


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